2024年8月24日にロンドン公演の大千秋楽を迎える舞台版『千と千尋の神隠し』。今回はキャストの皆様をご紹介します。
俳優の皆様がロンドン公演でどのようなことを感じでいるのか?日本とロンドンで観客の反応は違うのか?どんな暮らしぶりをしているのか?
様々なキャストの方々が日々更新されているSNSやブログを抜粋してみます。一番面白かったのは青蛙役、お笑い芸人のおばたのお兄さんがご紹介していらした貴重な裏側。エピソード別にご紹介しますので、是非最後までお楽しみください!
Instagramとブログで語られる日々の暮らし
上白石萌音さん・橋本環奈さん・橋本さとしさん
日本とは勝手が違う外国、しかもミュージカルの本場ロンドンで、しかも現地のお客さんからしたらバリバリ外国語な日本語で、4か月という長期間の公演。ものすごく楽しみだということは間違いないと思うが、こんな大きな挑戦をするのはさぞかし緊張と不安が走ることだろう。
そんな中、キャストの皆様はポツポツとインスタやX(旧Twitter)でロンドンでの日々を語っていらっしゃる。
まずご紹介したいのは千尋役で2022年の初演から続投しているお二方。上白石萌音さんはロンドン公演初日開幕時、シックな黒のドレスと気品漂う真珠を身につけて意気込みを語っていた。
特別な緊張感に背中を押された夜でした。言葉や文化の違うキャスト・スタッフが作品愛のもとひとつになっていてとても温かいです。
そう、キャストの皆様は日本人だがスタッフの方々は演出家もパペット制作も舞台装置もイギリス人中心。こちらから売り込んだのではなくイギリス人の演出家ジョン・ケアードが作品を大好きになり、信頼するイギリスのチームと共に、信頼する日本の人材を集めたなんて本当に素敵な話。
インスタの後半にはいつも、国際色豊かな上白石さんらしく英語の文章も。日本語話者ではないファンの方々にも届くようにという心遣いだろうか。優しさとサービス精神が溢れる。
また、メディアの記事では初日のカーテンコールを終えた上白石さんの感想も載っている。こちらには日本とロンドンでの観客の反応が如何に違うかが語られている。
確かにそうだと思う。日本人は基本、静かにしていることが「マナーがいい」と学校で教えられてきている。まあ、ちょっとだけ軍隊のようでもある。あまり感情を表に出さず、遠慮なく盛り上がることをせず周りの迷惑を先に考える。だから全体的に反応は薄く、最後の拍手だけ盛大にする。
対照的にロンドンでは、舞台中の反応はストレート。かっこいい決め台詞を言えばフゥ~イェ~イ!ちょっと悲しかったり切ない台詞があるとオゥ…。拍手だけでなく歓声や口笛も日本の倍はある。
橋本環奈さんとマネージャーさんはなんと、作品の広告がデカデカと貼られたダブルデッカー(二階建てバス)と橋本さんのアクスタ?のようなグッズを発見したらしい。
これは嬉しい!!イギリスのダブルデッカーはたいてい、上演中のミュージカルや映画の広告で飾られている。『千と千尋の神隠し』もバッチリその中の一つになっているんだ…実物を見ていなくても感慨深い。
私は残念ながら橋本さんの千尋はまだ拝見していないが、テレビから受ける印象がそのままなら、きっとパワーあふれる千尋でロンドンっ子を魅了してらっしゃるだろう。
さらに、釜爺役の橋本さとしさんのインスタにもロンドン公演の振り返りが載っていた。ロンドンに降り立ち、ピカデリー駅から劇場までたどり着くまでの興奮が「時差ボケも吹っ飛んだ!」と書かれている。
そうでしょうそうでしょう!ロンドンの高級街の景観たるや魔法の国。おとぎ話。しかもミュージカルのプロの方なら、様々な劇場に数えきれない公演のタペストリや看板があるともう楽しすぎて延々と歩いていられるかも(笑)。
日々の食べ物、気になるよね。夏木マリさん・春風ひとみさんのインスタより
お次は湯婆婆のお二方。夏木マリさんは毎日のようにインスタを更新されており、日本語と英語で日々のちょっとしたことを語られる。なななんとロンドンは16℃?この時期に?今年のイギリスは寒いのだろうか。最高気温は流石に20℃くらい行っているかな?
俳優の皆様、お体が冷えませんように。
夏木さんは白い壁と窓がある素敵なお部屋で綺麗なお花を飾り、ロンドンを満喫なさっているご様子。つい最近なんてヘアカットの動画が載っており、ロンドンの美容師さんがものすごく真剣な目で夏木さんの髪にバリカンを入れていた。
湯婆婆仕様の長く尖った赤い爪に、あの短い髪型。夏木さん、なんてカッケーんだ。「カッコイイ」と素直に言うより「カッケー」と崩す方が似合っているくらいファンキーな女性。
しかし、別の投稿にご自身で作られたお漬物が。ロンドングルメはもちろん面白いが、やっぱり精神が落ち着くのは日本の味だ。ものすごくよく分かる。
それに、ロンドンといえば世界でも一番物価が高い都市のひとつ。春風ひとみさんのインスタには小さなキッチンで自炊されたお料理が載っている。
そう、外食ばかりでは到底お財布がもたないし、世界中の美味しいものであふれていると言っても、日本の家庭の味を出せるところはごく限られている。
2週間までなら現地のものだけでいいかもしれないが、体が資本のお仕事を長期間でやるには、そりゃご飯とお味噌汁が作れないと困るだろう。
また、春風さんは天皇皇后両陛下のパレードも拝見されたご様子。なんて素晴らしい瞬間。興奮気味な投稿に、お仕事を終えた守備隊の皆さんの笑顔も載っていた。
おばたのお兄さんに起きた初日プレミア公演での奇跡
さて、青蛙役でお笑い芸人のおばたのお兄さん。この方は初日公演で大事件を体験した。
第2幕の最初。腐れ神を見事にもてなした夜中、大湯へ忍び込んで砂金を拾おうとする青蛙。そこにカオナシが現れて青蛙は餌食になってしまうのだが、カオナシが登場する前、青蛙はただ一人で「視聴率120%」で舞台を張っている。
そのとき、青蛙のパペットの足が片方、ぴょ~んと飛んで目の前に落ちた。
客席全員の眼が自分に注がれているので事故として無視することはできない。でも直後にカオナシに食べられる悲劇が待っているので、あまり面白おかしく盛り上げすぎてもいけない。できるだけスムーズに、しかし自然にやり過ごさなければいけない。それを1秒で考えた、おばたのお兄さん。
目の前に落ちた片足を少し見つめ、「うえぇっ?」
客席にドカンと爆笑が起こった。
その夜、開幕記念のパーティーがあり、現地でプレミアを見た関係者の方々から次々と声を掛けられた。「青蛙の方ですよね?本当にすごいよ!!!!!」
これはすべて、おばたのお兄さんのYoutubeで語られていたことだ(私のブログではまだ他の記事のURLを貼ることを許されていないので、ごめんなさい!おばたのお兄さんを検索すればすぐ見つかります!)。
すごい。初日でこの事件があったという貴重さ、この瞬発力で対応した技とセンス、すごい。これがプロのコメディアンだ。
イギリス人はリアクション芸が大好きだ。ミスター・ビーンなんて最高に面白いリアクション芸。とにかく明るい安村さんだって、あのパンツ一丁の芸で大スターになった。
それに、おばたのお兄さんは筋金入りのジブリファンなのだろうか、インスタやYoutubeにジブリのネタが数えきれないほど載っている。ハクの真似なんてお腹がよじれる。これを武器にBritain Got Talentいかがでしょう?行ける気がする。
最後にイギリス留学経験者より、今更ながら!これからロンドンへ行かれる皆様へ
最後に、今後もこの作品のロンドン再演があることを願いつつ、これからロンドンにいらっしゃる皆様へ今更ながらもお役立ち情報を少しでもお伝えできればと思います。
もしも、もしも、キャストの皆様やスタッフの方々、日本からロンドンへ観劇に行かれる方のどなたかがこのブログに辿り着いたら、スコットランドに留学経験がある私からもプチお役立ち情報を…めちゃくちゃ庶民的な視点です。
尚、ティッシュとラップを持っていくべき、炊飯器は現地で、等のプチ情報は、おばたのお兄さんのブログにも載っておりますのでご活用ください。
ほかにもお知りになりたいことがあればご遠慮なくコメントをください。
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