ブロードウェイ俳優マシュー・モリソンってどんな人?ミュージカル「CHICAGO」ビリー・フリン役で来日、ミュージカルファン熱狂!

ブロードウェイ俳優マシュー・モリソンさん。来日したブロードウェイ版『CHICAGO THE MUSICAL』でビリー・フリン役を演じたことで話題になっています。

チラシにもプログラムにも、公演の広告という広告には彼の顔がドーンと…ロキシーやヴェルマを差し置いて、誰このイケメン!?とお思いの方も多いかもしれません。はい、私もです。

まあブロードウェイ・キャストのシカゴを観られるチャンスなんて滅多にないので、渋谷シアターオーブにてマシューさんを拝見。かーーっこええーー!!

あの素敵な歌声とクールな佇まいに恋しそうになった方、なのにプログラム買ってない!という方、公演に来たくても来られなかった方へ。プログラムに掲載されていたインタビュー記事も少しだけ拾いつつ、彼の人物像に迫ります。

彼の分析するビリー・フリンとは?日本との深い関係とは?ぜひ最後までお楽しみください。

マシュー・モリソンさんの出演作・受賞歴・CD

ミュージカル『ヘアスプレー』リンク役で若手スターに!

ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アートご出身。
ミュージカルの技術を学び、デビューは『フットルース』。
下積みの後、『ヘアスプレー』のオリジナル・キャストとしてリンク役を演じ、一躍人気に。
ほかに有名な主演作品はニューヨークのリンカーンセンター劇場で上演された『南太平洋』ジョセフ・ケーブル大尉役。

世界初演のオリジナル・キャスト。ミュージカル俳優さんなら誰もが憧れる。そのプリンシパルキャストでミュージカル界の王子に躍り出るとは驚きの経歴。

ミュージカル俳優さんでよく言われるが、団体で作品を作るのだからチームワークが必要。だからいくら技術があっても人間性に優れていない人は消えていくと。マシューさんは余程の実力者であり人格者に違いない。

『ヘアスプレー』といえば、日本版では渡辺直美さんがトレイシーというヒロインを演じて日本人みんな悶絶したやつだ。

マシューさんが演じたリンク役はトレイシーが憧れる男性。日本版では三浦宏規さんが演じたが、三浦さんは歌も素晴らしいが自称バレエオタクのダンサーさんで、この役でも踊りまくっていたとのこと(私はチケット逃しました泣)。

マシューさんも相当踊る人のようで、『CHICAGO』でもタキシード姿で洗練されたダンスを見せてくれた。

ミュージカル・ドラマ『glee』シュースター先生役で世界に知れ渡る!

マシューさんの代表作として絶対に欠かせないのは、あの大人気ミュージカル・ドラマ『glee』。2010~2015年まで演じ続けたグリークラブの顧問の先生、ウィル・シュースター役。

熱血教師っぷりが全世界で話題を呼んだ。全米映画俳優組合賞、TVランド賞、サテライト賞の3つの賞を獲得した。少しだけ映像を見たが。めちゃくちゃ歌って踊っている。

そして2015年、ブロードウェイ版『ファインディング・ネバーランド』では、オリジナルキャストとして主演。『ピーター・パン』を生んだ劇作家ジェームス・マシュー・バリー役を演じ、Broadway.com観客賞のミュージカル主演男優賞を受賞した。

悩める作家と愛する人々、ピーターのモデルとなった子供との出会いも描かれ、『ピーター・パン』の登場人物たちが空想の世界を繰り広げる。

本当にあった感動の人間ドラマ。物語が濃い作品と見受けられる。観たいなあ~英語で観られる機会があれば絶対に行きたい。

プライベートも充実、制作活動にも積極的

CDもリリースしており、アマゾンやSpotifyで聴くことができる。『Where It All Began』と『Disney Dreamin’ With Matthew Morrison』。

前者は優雅なスタンダードジャズ。『雨に唄えば』や『ガイズ&ドールズ』からもヒット曲のジャズアレンジが入っている。後者のディズニーなんて、アラジンやヘラクレス、ターザンなど。ファンが泣いて喜ぶ名曲だらけだ。

また、2024年5月16日に放送されたNHKの『クラシックTV』でゲスト出演した際、現在のマシューさんは自作自演のTVドラマを作っていると語っていた。

楽しみ過ぎる。是非見たい。ゼロから自分で作るオリジナル作品は、大変さはあっても上演した時の達成感たるや、計り知れないに違いない。

それに、経験と年齢を重ねた今だからこそ描ける世界はきっとある。『CHICAGO』の来日公演パンフレットによると、ロサンゼルスよりも環境にいい地域に移住して子育てをしているとのこと。

仕事も家庭も大切にするマシューさんが、遠くない未来に夢を実現させることを心から願っている。

大好きな『CHICAGO』を大好きな日本で

念願のビリー・フリン役を初めて演じるのが日本!

『クラシックTV』で、マシューさんの一番好きなミュージカル作品は『ミス・サイゴン』と『CHICAGO』とおっしゃっていた。来日公演のプログラムには、年齢を重ねたら出演してみたいと思っていたと書かれている。

念願叶ったのが、なんと今回の来日公演。アメリカではまだ一度も演じたことのない役を異国の地で演じるのは不安だっただろう。よく受けたな、この仕事。

と、思いきや「不安は少しもありません」!実はマシューさん、日本で何度もソロコンサートを開いている親日家なのだ。

前回の来日はコロナ禍直前の、シンシア・エリヴォさん(ウェストエンド版『天使にラブソングを』のデロリスで映画版『ウィキッド』のエルファバ!)のコンサート。1か月以上滞在するのは初めてだが、観光やグルメも存分に楽しみたいとのこと。

『CHICAGO』がいかに特別か

彼曰く、ミュージカル『CHICAGO』は完璧な作品。最低限のセットと黒で統一された衣裳、ショーアップされた演出がほかの作品とは違う。セレブリティと呼ばれる人々への皮肉や、誰一人として正義のある人がいないのが面白い。その中で全員が「囚われている」のがキーワードなのだそう。

観劇直前に予習したくてこのインタビュー記事を読んだが、確かにおっしゃる通り!

お金のために悪を正義にすり替えるビリー。
犯罪者になったことで新聞の一面を飾って喜んでいるロキシー。
無罪か有罪かなんてどうでもいいから売れたい!という顔で何でもするヴェルマ。
その手伝いをしてお金を巻き上げるママ・モートン。

それに加え、お金持ちのお嬢様が残虐な犯罪をしてロキシーから新聞の一面を奪った、みたいな場面でロキシーが怒り狂っていた。

この滅茶苦茶なセレブリティの世界。インチキな犯罪と司法の世界。富と名声に囚われ、刹那を生きる人々。彼のインタビュー記事で解説を読まなかったら、この作品は半分しか楽しめなかったと思う。感謝!

また、実を言うと私はYouTubeで過去の公演を見て比べてみた。そこには明らかな違いがあった。

過去の公演で、ビリー・フリンは踊っていない。しかしマシューさんはキレキレのカッコイイ踊りを披露している。なんとダンスが得意なマシューさんが踊るため、特別な演出が足されたとのこと。

それ、すごい!!来日版の『CHICAGO』でビリー・フリン役デビューとなるマシューさんに、どれだけ期待がかかっているかが分かる。これで終わるわけないよね?きっと彼はアメリカに帰国後もブロードウェイはじめ各地でビリー・フリン役を何百回も演じていくだろう。

終わりに

本ブログで日本国外の俳優さんを取り上げるのは初めてのことだったが、世界が広がった気がする。

マシューさんは『クラシックTV』で、ガチなミュージカルファンのお笑い芸人かなでさん(3時のヒロイン)と「ハンバーガーの肉が入っていなかったときのガックリ感」を即興で演じていた。

顔芸がオモロすぎた。そして優しくていい人だと思った。ミュージカル界で人格が大事だというのは本当で、日本だけでなく世界共通なのだということも確認できた。

マシューさん、ありがとうございます。

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