石井一孝のオリジナル・ミュージカル「君からのBirthday Card」(2025/1/25上演)チケット発売中!

ミュージカル俳優でシンガーソングライターの石井一孝さんが2018年に発表したオリジナル・ミュージカルにして一人芝居『君からのBirthday Card』

物語の原案と楽曲を一人の俳優さんが作り上げたミュージカルとして、この冬もっとも注目すべき感動作。ぜひご観劇を。

2025年1月25日、主人公の妻の役に俳優・オペラ歌手の笠松はるさんをお迎えし、一人芝居から二人の朗読劇(Reading Style Drama)として生まれ変わります。

この記事では、初めてこの作品をご覧になる皆様が、観劇前に知っておけば作品を存分に楽しめる基本情報をご紹介します。極力、物語のネタバレは無しです。どうぞお楽しみください。

制作に至った経緯は?
登場人物と設定、見どころは?
作品はどのように成長してきたか?
観客にどんなメッセージを届けるのか?

公演の詳細とチケット情報も記載しております。お見逃しなく!

2025年1月25日「君からのBirthday Card」公演情報(公式サイトより)

【公演日】
2025年1月25日(土)

【会 場】
すみだパークシアター倉
東京都墨田区横川1-1-10(スカイツリー、錦糸町、吾妻橋から行ける隅田川沿いの劇場です♪)

【出 演】
石井 一孝
笠松 はる

【演奏】
進藤 克己(key)

原案・作詞・作曲:石井 一孝
脚本・演出:大谷 美智浩
企画・製作・主催:株式会社CON AMOR

【チケット料金】
一般:8,500円
学生(高校生以下):4,000円
(税込・全席指定・未就学児童入場不可)

【チケットのお取り扱い】
・石井一孝オフィシャルサイト
・チケットぴあ
・e+(イープラス)

演出協力に荻田浩一さん!!
かの『CHESS』日本初演や『蜘蛛女のキス』で石井さんと一緒にお仕事した、日本が誇る演出家!荻田浩一さんが今回の演出をご担当されます。それはもう斬新とのこと。
すでに観劇した人も初めての人も楽しめること間違いなし!
佐々木崇さんのご参加も決定しました!今回は声のみの出演ですが、懐かしのあの役をあの声で!ダンスなしでどんな面白いスパイスになるのか!?乞うご期待!!

松田悟志さんをトークゲストにお迎えしたアフタートークショー開催!

2024年夏に上演された音楽劇「星列車で行こう」にて共演した、俳優の松田悟志さんがアフタートークショーに登壇!17時公演の後でお二方が作品の魅力、創作秘話などなど語り合います。

日時:1月25日(土) 17時公演終了後
登壇者:松田悟志(ゲスト)、石井一孝

※約20分程度を予定しております。(トークショー後、石井一孝によるサイン会がございます)
※17時公演のチケットをお持ちの方はそのままご自分のお席でご参加いただけます。

YouTubeで過去の公演動画も出されています。ぜひともチケットをゲットし、寒い冬にホッコリ心を温めてください♪

「君からのBirthday Card」が生まれた経緯

ミュージカル俳優としてオリジナル・ミュージカル制作を決意したきっかけ

ミュージカル俳優の石井一孝さんは、過去の記事でもご紹介したとおり、作詞作曲ができるシンガーソングライターでもある。

オリジナル・ミュージカルを作りたいという夢だけは20年も持っていた。

「いいオリジナル曲がいっぱいあるんだからミュージカルを作ればいいのに」

そう言って石井さんの心にピカーンと電球を灯したのは、俳優の姿月あさとさんだった。オリジナル作品を「どうやって作るか」を閃いたのは姿月さんのこの言葉を聞いてから。

そうか、『マンマ・ミーア!』がアバの既成曲をつなげて物語を後付けしたように、既に発表した自分のオリジナル曲をつなげて物語を作れば、ミュージカルになるではないか。

そこから漠然と構想が浮かび始めた。発表にこぎつけたのは、ちょうど50歳を迎えた2018年だった。

オリジナル・ミュージカル制作の計画

  • 使用する楽曲は石井さんが既に発表していたオリジナル曲を半分、書き下ろしをもう半分。
  • どれとどれを使うか、新曲はどんな曲か、だいたいの目安をつけてから物語の原案を練る。
  • そこに俳優・脚本家・演出家としてもご活躍の大谷美智浩さんが脚本を付け、音楽監督と演奏家も迎える(初演は宮崎誠さん、再演からは進藤克己さんや小倉昌浩さん)。
  • たった一人(プラスほんのちょっとだけ場面がある共演者が1人)で演じる。

ミュージカルに出演する中でも長めのオフ期間がなければ集中して制作に取り組むことは不可能。ほかの仕事を断り、目標を設定し、デモテープ作りからあらゆる交渉、本番の上演まで勝負が始まった。

「君からのBirthday Card」が届ける石井一孝さんのメッセージ

ミュージカルは9割方の登場人物が西洋人だが、ここに出てくるのはもっと身近で素朴な人々だ。

ショーヴランのように目がハートになるほどカッコよくはない。ヴェローナ大公のように政治的な重責を背負っているわけではない。度肝を抜かれる恐ろしさの死神リュークでもない。いたって純朴な日本人。

だからこそ、ありそうでない、でも、あったらなんて素敵なんだろうと思える人間ドラマが心に響く。愛し合う2人が試練を乗り越え、バースデーカードを通して思いを伝え、生きる力をもらっている姿が、観客にも明日への力を届けてくれるはずだ。

笑って、笑って、泣いて、笑って、また泣く。上演が終わった時には宏とかれんが育んだ愛に触れて、温かい心の灯がともっている。

生まれてきてくれてありがとう、出会ってくれてありがとうと、大切な人に伝えたくなる。

「君からのBirthday Card」登場人物

一人ミュージカルではあるが、登場人物は一人ではないのも見どころと言っていい。

五島宏

石井一孝さん演じる主人公は五島宏。少々オタクでイケてない男。生来の運の悪さで自信もあまりない様子。
作品で描かれるのは30歳~50歳まで20年間に及ぶ人生。出だしは1999年で、最後のシーンは作品の初演があった2018年頃と思っていい。

一城かれん

主人公の最愛の妻が、一城かれん。朗らかで優しいがどことなくミステリアス。
これまでは一人芝居だったため、かれんは実体がない登場人物だった。今回、満を持して笠松はるさんが命を吹き込む。

神父/郵便局員

さらに、二人が結婚式を挙げるときの神父と、タイトルにあるバースデーカードを届けに来る郵便局員がいる。神父は初演時にはおらず、結婚式シーンは音楽のみ。郵便局員は俳優見習の若手さんが演じた。

この2役を、2度目の上演から佐々木崇さんが演じるようになった。軽快なダンスと笑いで物語にスパイスを加える。石井さんとは『スカーレット・ピンパーネル』で上司と部下の役として共演経験があったため、軽快なやり取りが逆に深みを加える大切な役目となった。

石井さん自らが演じ分けるチョイ役

最後にぜひご紹介したいのは、石井さんが五島宏のかたわら自ら演じるチョイ役。

前半では一城かれんとの結婚前、彼女に言い寄ってくる男達をすべて一人で演じた。しかも、ミュージカル界のご友人たちをものすごく意識して。さらには宏がかけた電話の向こうにいるオバチャンも。

1つの作品で様々な役を少しずつできるのが一人ミュージカルの醍醐味で、非常に楽しいとご本人は語っている。今回はどんなキャラが飛び出すのか、石井さんの変身っぷりにも要注目だ。

「君からのBirthday Card」の再演と成長

上演の歴史と共演者

2018年の初演時、この作品は朗読劇として始まった。歌やちょっとした動きが欲しいと思った場面以外は座って朗読。

2019年の再演では大谷さんが熱い一言を放った。「朗読している時より立って演じていた時の方が観客に投げるエネルギーがすごかった。今回は、朗読は無しにしましょう!」

こうして朗読劇を脱し、全面的に動きがつく本格的なミュージカルとなった。DVD化も実現し、石井一孝公式サイトで購入することができる。

2021年は配信バージョン。本当は2020年8月に上演するはずだったがコロナ禍の影響により断念。その代わり、配信公演を決行した。共演者とのソーシャル・ディスタンスを保たなければならない分、それを逆に利用した演出変更が視聴者を楽しませてくれた。

そして前回の上演が2023年の役替わり配信公演。その前、2019年と2021年の2度にわたり神父と郵便局員を演じた佐々木崇さんが、五島宏に挑戦した。

このとき、郵便局員には岡村さやかさん。迫力あるお声で爆笑のモノローグを披露し、結婚式のシーンでは元気いっぱいのお祝いダンスで花を添えた。

石井さんは補助役に徹し、佐々木さんと岡村さんの演出を。本番では結婚式の神父役でのみ出演した。歌さえ歌わずボケ倒し…オモロかったなぁ(笑)。

「アートにエールを!東京プロジェクト」に続編と新曲を出品

さらにさらに、作品はコロナ禍で思わぬ進化を遂げた。パンデミックの影響により舞台芸術がほぼ死んでいた2020年。芸術に携わる人々が作品を発表する機会にと、東京都により発動したのが「アートにエールを!東京プロジェクト」。動画作品を応募し、選考に勝ち残った作品が公開された。

その中に、この作品の続編が選ばれた。コロナ禍で宏はどうしているのだろうと思った郵便局員が、宏に手紙と動画メッセージを送るところから始まる。

佐々木さん演じる郵便局員がまたもや笑えるダンスをお届けするが、彼の妻は海外へ仕事に行って長期間会えておらず、寂しい思いをしていた。それを知った宏は、お礼にと郵便局員を励ます歌を贈る。それが、新曲「空の弓」。

フランス語で「虹」を表す言葉が、「空にかかる弓」という意味とのこと。雨が降った後は七色の矢を空に放ち、愛しい思いを届けよう。幸せへの夢を描こう。「北風は勇気を連れてくる」「何度でも立ち上がってきた君だから、明日をあきらめないで」そんな力強いメッセージが胸に響く。

この曲はコロナ禍で配信ライブをしたときの歌唱がYouTubeに載っているので是非見つけてほしい。(※ごめんなさい、リンクを貼ることは許可されていません。「石井一孝 空の弓」で検索を!)

最後に

石井一孝さんと笠松はるさん。どちらも経験豊富な俳優さんで素晴らしい歌声の持ち主。お二方が奏でる夫婦愛の物語、楽しみに待ちましょう。

どうか一人でも多くの人にこの作品が届きますように。

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