「えんとつ町のプペル」ミュージカル版キャストの感想と魅力を語りまくる!

このブログをお読みくださっている皆様、Happy Halloween♪♪

ファミリー・ミュージカル『えんとつ町のプペル』。2025年8月にKAAT神奈川芸術劇場で再演され、10/27にチケットの販売が開始されている。

同時に、原作者にして総指揮のキングコング西野亮廣さんが2025年再演版制作の舞台裏を語る「BackStory」ではオーディションでキャストを決めていく様子が見られる。非常に刺激的。

この記事では2021年初演版で印象深かったキャストさんの感想、2025年再演版で注目すべきと思われるキャストさんのご紹介を、独断と偏見で書かせていただきます。お気に入りの俳優さんを見つけつつ、ぜひ最後までお楽しみください!

『えんとつ町のプペル』ミュージカル2021年初演キャストの感想

YouTubeで初演版が無料公開されており、私は毎年ハロウィンの時期になるとこの動画と映画を両方見るのが楽しみ。今年も動画で久し振りにえんとつ町に迷いこんだが、改めて初演のキャストは奇跡の人材が集まったと思える。

まず、なにはともあれプペル/ブルーノの吉原光夫さん。この方は『天使にラブ・ソングを』でのカーティス役がハマリにハマって面白かったのが忘れられないが、法被に坊主頭に麦わら帽子が世界一似合う人だと思った。

プペルにしてはいい声すぎ?とも思ったが、なんのなんの。茶目っ気たっぷりの台詞回しがコワモテとのギャップを生んでいる。最初のハロウィン・パーティーの歌でいきなり出したハイトーンにも驚愕。

最後にブルーノとして大演説するシーンが圧巻。映画では立川志の輔さんが、静かな声で七五調で絵本を読み聞かせるように語る台詞。しかしミュージカル版で吉原さんは七五調のリズムをあえて崩し、「なぜなら!!…誰も行ってない。誰も行ってない!」と、ドラマティックな抑揚をつけた。壮大なクライマックスが見事だった。

次にルビッチの笠井日向さん。うわ、なんて純真なんだ。10歳の少年らしい「がんばれっ」と思わず手に汗握って応援したくなってしまう幼さを醸し出しながらも、歌と演技はプロの技。父ちゃんと向き合ったときの今にも泣きだしそうな表情と「答えてよぉ…」の表現、泣けて仕方なかった。

さらに映画でも同じ役を演じた、スコップの藤森慎吾さん。ご存じオリエンタルラジオ、中田敦彦さんの相方だ。この方が開演前アナウンスの代わりとなる導入を担う。漫談のふりして手拍子で観客とふれあい、「星」という禁句に触れる。これだけで一気にテンションが上がる。

ひとたび歌い出せばお笑い芸人の滑舌と音楽活動で培ったリズム感が生きる。鉱山泥棒をやっているうちに見聞きした秘密をちょっとずつ暴露するときの皮肉な抑揚がたまらなく楽しい。粋な韻も踏む。なんならスコップのおしゃべりが一番「ドキドキするじゃないか!」だ。

続いては私のイチ押し、ローラ(ルビッチの母ちゃん)役の知念里奈さん。私は『レ・ミゼラブル』のファンティーヌで拝見してボロ泣きした。ローラとしては肝っ玉母ちゃんの力強さと包容力、そして夫の背中をバンと叩く愛情表現も大好きだ。

「My Dear Son」の歌ももちろん、息子が父ちゃんと同じように、手に負えないほど遠くに羽ばたく日がいつか来る。そう知りながら育てているのが分かり、胸がギュッとつかまれた。でも異端審問官に正面から「お前らもゴミを拾い集め悪い虫の駆除かい」と言い放ったのが痛快。

知念さんにそう言われた相手、異端審問官のボスがベラールという。映画には出てこない役で、レター15世とトシアキを合わせて1人の登場人物としたような感じ。演じたのはミュージカル界の重鎮、岡幸二郎さん。

はい、この方がラスボスなのね(笑)。カーテンコールではっちゃけていただいて、怖いわオモロイわ。岡さんは言わずと知れた『レ・ミゼラブル』伝説のアンジョルラスにしてジャヴェール。この方が歌い出すと空気圧が3倍は濃くなり、耳が幸せでたまらない。

最後の大合唱で「ゴミの体のその奥にはあの日の匂いがある」というフレーズをこの人が歌うのがミソ。この人も子供の頃、星の存在を信じたかったのかもしれない。でも「平和のため明けてはならぬ夜もある」と、心を鬼にしていつの間にか麻痺していたのだろう。

しかし星を目の当たりにし、必死に否定していたものの存在を認めたとき、なぜか悔しさが見えなかった。安心したような穏やかな歌声になった。これだよ、この貫禄だよ!沁みたぁぁぁ。

『えんとつ町のプペル』ミュージカル2025年再演の注目キャスト

この素晴らしいキャストの熱演でミュージカル版『えんとつ町のプペル』は2021年の日本初演を成功させ、今はブロードウェイでの上演プロジェクトも着々と進んでいる。

一方、2025年8月に神奈川で再演を迎えるミュージカル版はすでに2023年時点でキャストのオーディションが終わっていた。

なんと演出は、2021年の初演でプペル/ブルーノ役を演じた吉原光夫さん。振付は『ロミオ&ジュリエット』の、あの素晴らしすぎるダンスを振り付けたKAORIaliveさん。

吉原さんからプペル/ブルーノ役を受け継ぐのは今をときめく俳優でシンガーの廣瀬友祐さん。2019年『ロミジュリ』のティボルト、なんて素敵な声なんだと思った。2023年『天使にラブ・ソングを』で演じたエディも、私は拝見できていないが面白そうだった。

吉原さんは低く野太い声。豪快なブルーノと純粋無垢なプペルを声色ではなく語り口調で区別して演じ分けたが、廣瀬さんはハイトーン。まったく違うタイプのプペル/ブルーノになるということだ。声色を変えて演じ分けたりとかするのかな?

レベッカとアントニオはパワーあふれるダブルキャスト。4人同時に「全員合格」と宣言されたときの興奮とお互いの尊重が、動画を見ているこちらも感激だった。

四宮吏桜さんのレベッカなんてものすごく溌溂として、バシッとよく響くいい声。オーディション中に吉原さんから「もっとこういう感情をもって演じてみてほしい」と指導されるとどんどん演技を変えていく。熱~い感じがする方。

町田慎之介さんのアントニオは、なんという気持ちの良い声!!国立音大で声楽を学び、『レミゼ』も出ている。来たぁ~レミゼ・チルドレン!アントニオのあの名台詞、どんなパワーで叫んでくれるのだろう。

ルビッチは初演から続投の笠井さんと、もう2人が今のところキャスティングされている。小笠原栞夏さんと小野りり子さん。そう、「今のところ」。

なんとギリギリまでこの3人のうちだれがルビッチになれるか分からないとのこと。オーディションが本番の2年前である2023年だったが、その時点で小笠原さんは10歳、小野さんは18歳の若手。進路や経験により、実力が2年後にどうなっているか分からないからだ。

オーディションは終わったが、直前までライバルが消えないというものすごい緊張感。これは3人全員が必死にお稽古を積んで競い合うだろう。作品も俳優さん個人も想像できないほど成長するに違いない。

そして、えんとつ掃除仲間だと思っていたら実は異端審問所のスパイだったスーさんが、お笑い芸人の木下隆行さん。お、お、面白そう!!オファーを受けただけでお笑い芸人全開のリアクション。見ていた私はパソコンの前で爆笑。

役者としても高い評価を受け、あまり認知されていないがご本人は歌が大好きとのこと。そりゃもうここでスーさんを大成功させて、次は『レミゼ』でテナルディエ狙うしかないよね♪

驚いたのはベラール役の中村中さん。ふえっ!?中村さんって蕩けちゃうくらい滑らかな女性の声だよね?初演は岡幸二郎さんによる圧巻のバリトンだったが、中村さんは太い男の声でも歌うの?私が知らないだけ?

もしかして、ベラールは映画に出てこない役だから男女どちらの設定にもなれるってこと…?せっかく中村さんが演じるなら女性にするの…?これは未知数。期待が2倍に膨れ上がる。

そしてプペル/ブルーノ スウィングは乾直樹さん。2021年初演でのスーさんだ。この方がスウィングか、とても頼りになりそうだ。スーさんの歌声は安心の品質だったし、留学経験もあるダンサーさんだけに無重力のようなダンス。初っ端を飾る心臓のダンスに目が釘付けになった。

そして乾さんがスウィングとしてプリンシパルキャストの中に名を連ねているのが、さすが西野カンパニー。ここにも従来のミュージカル界の悪習に逆らう姿勢が現れている。やったれやったれ!これをスタンダードにしちゃえ!

最後に

2025年夏、えんとつ町に是非行きましょう。大劇場でオーケストラをバックに、アンサンブルキャストも多数。初演を10倍くらい華やかにした舞台になると期待されます。ミュージカル界の異端児、西野さんが心血を注いで作り上げるプペルの世界が、一人でも多くの方に届きますように!

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